| 仏教の基礎 |
タイマッサージは、仏教の影響を受けたタイ伝統医学の中で育まれてきました。
タイマッサージが、「タイマッサージ道」そしてセラピストに求められるモラルや倫理のそのバックグランドである仏教を少し覗いてみましょう。 |
|
| 五蘊(ごうん) |
タイマッサージの原点であるタイ伝統医学は、人間の存在は五蘊(五つの集まり)で成り立っていると考えています。
蘊とは集まりの意味です。
五蘊とは、色(しき)、受(じゅ)、想(そう)、行(ぎょう)、識(しき)です。
色は、肉体、物質的な存在、土・水・風・火の4大元素で成り立っています。
受は、感受する苦楽、快不快の感覚や印象のことです。
想は、感受したことを心の中で想うこと、感情です。
行は、何かしたいと思うこと、その行動です。
識は、心の中で、いろいろ考え、認識することです。
色は、仮に彼や彼女の肉体だとしましょう。
受は、初めて遇った時の「ドキッ」とした印象です。
想は、「素敵だなぁ」という感情です。
行は、あなたが彼や彼女にしたアプローチです。
識は、その時のメールに書きとめられています。 |
 |
仏陀は、これによって、確固とした人間の存在を説明したのではなく、単なる五蘊の集まりにすぎないと説きます。
すべては変化し移ろい行くものとして、無我を導きます。
般若心経の「五蘊皆空」(ごうんかいくう)です。
彼や彼女は、今では年をとり衰えて、一目ぼれしたときの印象や感情は一体何だったのか、その時のメールは急いで削除してしまいましょう。 |
|
|
| 仏陀は何を説いたのか? |
|
|
仏陀は、この世は「苦」と「無常」の世界で、それから逃れるには因縁の法則(カルマの法則)から脱することとしました。
苦(四苦八苦)とは生老病死の他、別れや、そのチャンスに恵まれないなどの苦しみも含みます。
無常とはすべては移ろい行くこと、生まれたら必ず死ぬことです。
因縁の法則とは、ものごとには必ず原因と結果があり、偶然のものは何もないという法則です。
簡単に言えば悪いことをすれば、悪いことが起こるという思想で、これは輪廻転生というたくさんの生を超えて起こります。 |
 |
それらから逃れる方法が仏教の修行です。
仏教には、中道(ちゅうどう)、八正道(はっしょうどう)、五戒(ごかい)などの教えがあります。
これの教えが、タイのタイマッサージ師がもつべきモラルのバックグランドになっています。
中道とは、快楽主義と禁欲主義などどちらの極端にも偏らないことです。
すべての欲をたてば、人間は死んでしまいます。
仏陀も死にかけた経験から導きだされた教えです。 |
|
|
八正道は、次の8つです。
 |
①正しく見る
②正しく考える
③正しく語る
④正しくふるまう
⑤規律正しくする
⑥努力する
⑦信念をもつ
⑧心をとぎすます |
正見(しょうけん)
正思惟(しょうしゆい)
正語(しょうご)
正業(しょうごう)
正命(しょうみょう)
正精進(しょうしょうじん)
正念(しょうねん)
正定(しょうじょう) |
|
 |
| ワット・ウモン ガリガリ仏陀 |
|
|
|
五戒とは、次の5つです。
 |
①殺さない
②盗まない
③不倫しない
④嘘をつかない
⑤酒を飲まない |
不殺生(ふせっしょう)
不偸盗(ふちゅうとう
不邪淫(ふじゃいん)
不妄語(ふもうご)
不飲酒(ふいんしゅ) |
この五戒を守るには、出家して寺にこもっているしかないと、断念せざるを得ないわけですが、ベトナム戦争時代の経験から仏教の積極的な社会参加「エンゲイジド・ブッディズム」を説いたベトナムのティク・ナット・ハン氏は、次のように五戒の現代的な解釈を提唱しています。
①生命に敬意を払う
②寛容になる
③性的な責任を果たす
④深く耳を傾けて愛をこめて話す
⑤意識的な消費をする
そして、もしあなたがあるがままの自分に気づき、いつも微笑んでいられたら(マインドフルネス)、この世は苦でも無常でもなく、美しく、喜びに満ち溢れていると説きます。 |
|
|
|
|
|